事件
陽水 井上
事件はみぞれまじりの
寒い日に起きた
行司から勝ち名のりを
受けた力士が
次の土俵に上がる力士に
力水をつけて
嵐の様な拍手を両脇にして
花道を引き上げようとしていた時に
たくさんの客の手が
力士の背中に触わろうとしてた
その中にカミソリも
混じっていたのサ
相撲協会は驚いて
信じられないと言った
ここに来る人達は
みんな良い人達のはずだ
何百年もこの形式を
守り続けてきたのだ
たくさんの客の手が
力士の背中に触わろうとしてた
その中にカミソリも
混じっていたのサ
みぞれはすでに雪になり
白い肌の様に積もった