春らんまん [ロック・アウト・ロック・コンサート/'71.8.21/東京日比谷野外音楽堂]
隆 松本
向ふを行くのは お春じゃなゐか
薄情な眼つきで 知らぬ顔
沈丁花を匂はせて
おや、まあ
これからあひびきかゐ
向ふを行くのは お春じゃなゐか
薄情な眼つきで 知らぬ顔
沈丁花を匂はせて
おや、まあ
これからあひびきかゐ
はるさめもやふのお春じゃなゐか
紺のぽかしの 蛇の目傘に
花梔子の雨が けぶる
おや、まあ
ひとあめくるね
婀娜な黒髪 お春じゃなゐか
淡くれなゐに 頬紅そめりゃあ
巴旦杏もいろなしさ
おや、まあ
春らんまんだね
暖房装置の冬が往くと
冷房装置の夏が来た
ほんとに春は来やしなゐ
おや、まあ
また待ちぼうけかゐ