午前4時の物語
午前4時 かすむ目をこすり
駐車場から車を出し
アホな上司もうこりごり
むかつく胸おさえる薬
かみ砕き飲む缶コーヒー
眠らない都市の通り
いつもどおり 家路たどり
欲しいのはただ深い眠り
交差点の手前 人影
寝ころんだまま動かぬ影
俺の車をただ見るだけ
薄ら笑いを浮かべるだけ
仲間たちは舗道の陰
膝かかえ笑ってるだけ
俺は車をすこしだけ
近づけ 叫んだ そこをどけ
そいつはゆっくり立ち上がり
ポケットからナイフ取り出し
前輪のタイヤに突き刺し
ボンネットの上 飛び上がり
俺に突き出した中指
仲間たちにうけるそぶり
勝ち誇ったような身振り
俺の中でなにかがキラリ
バックシートのベースボールバット
掴んだ俺は車道に降り
ナイフ持ってるそいつの右手
狙って振り下ろす
奴はそれをかわすつもり
頭を下げたそこに
俺の振り下ろされた
ベースボールバット