美貌の青空
Masao Urino, Ryuichi Sakamoto
眼差しの不実さと
気高さに溺れていた
狂おしい夏だった
青空も 声も
小さな死のように
これ以上
愛さない
禁じる愛おしさで
瞳は 傷口と知る
魂(こころ)の
別々の惑星に
僕たちは棲む双生児(ふたご)さ
野獣(けだもの)の優雅さで
沈黙を舌で味わう
罌粟(けし)のように
切なさで胸を傷めながら
君の 可憐な 喉笛から
あふれ出した
虹の涯は
美貌の青空
狂おしい夏だった
手に触れる すべて
欠片の死のように
君の血が透き通る
野蛮な 瞳 見ては
途方に暮れる 真夏の楽園