心のなかの悪魔
Shigeru Kishida
僕の心のなかの悪魔は 凛と呟いた
どうせすぐに消えて無くなってしまうと
心の隙間に溜まった 塵は青空を隠し
曇った眼で 君を見つめている
街道を歩き疲れて 座る場所もなく
黒いすすで汚れた道標 あと何マイル
嗚呼 夢の中 嗚呼 溺れてく
翼で飛んでいた頃の 記憶を失って
夢見がちな僕のスピードは 赤黒く固まって
誰かにすがることしか出来ませんでした
僕の心のなかの悪魔は 凛と呟いた
あいつのなかの悪魔は お前を食いつぶすと
君は僕の悪魔と戦い 手負い 泣いていた
どうか少しでも青空が 見えますように
街に溢れる人々の それぞれの行方を
追うように悪魔は 泣いていた
嗚呼 夢の中 嗚呼 溺れてく
翼で飛んでいた頃の 記憶を失って
嗚呼 夢の中 嗚呼 溺れてく
翼で飛んでいた頃の 記憶を失って
僕は願いを込めて悪魔を 屋上で解き放つ
こんな顔してたんだと お互い見つめ合った
君はどこか遠くのほうまで 出掛けてしまったな
歩いて行こう 朝が来る前に