Ring
小渕健太郎
君がいた頃は 聞こえもしなかった
時計の音さえ 響き渡るこの部屋
ぬくもりの消えた
静けさを映し出す
鏡に 一人立ち尽くすリアル
振りほどいた君の手
握り返して 外れた小さなRing
しずくの様に落ちてく 恋の証は
闇の中光りながら 足元に
走り出す君の背中 雨に消えてく
戻らない 叫んでも
形なきものを 失った後には
形ある ものに 君がよみがえる
うつろな夢の様に
どうして君を
忘れて歩き出せようか??
君が落としたRingの 鈍い光りに
記憶の迷路照らされ 今もまだ
たどり着けるはずのない
君を探してる
戻らない 時の中
戻れない 叫んでも
この手で壊して
粉ごなに 忘れてしまおうと
鏡に投げつけた Ringにこぼした
この胸の痛みを 涙を...