それぞれの秋

tanimura shinji

陽溜まりの坂道に立ちどまり
通りすぎる学生を見ていた
俺もあの頃はあんなふうに
きらきらと輝いて見えたろう
授業にも出ずに お茶を飲みながら
くだらない夢を話した
突然おこった不精ひげのおまえも
噂では苦労していると
今も忘れられないのは
あの時の言葉
幸せになろうなんて
思っちゃいけない
愛した女ひとりと
苦労を共に出来たなら
そんなささやかな人生も
きっと悪くはない
夢 散りじり夏はすぎ去り
それぞれの秋

たしか去年の初夏の頃
届いた一通の手紙には
旅好きなあいつのおふくろから
痛々しいほどの細い文字
ある雨の朝 見知らぬ町で
自ら命を終えたと
母に残した一行の言葉
悲しみだけが人生
今も忘れられないのは
あいつの口ぐせ
人は自分の死に場所を
捜すために生きる
ささやかに生きている友達の
人生とは一体何んだろう
あざやかに死んだ友達の
人生とは一体何んだろう
夢 散りじり夏はすぎ去り
それぞれの秋

今では二人の思い出も
忘れかけるほどの毎日
ふと立ちどまる道端に
悲しいほど赤い落日
夢 散りじり夏はすぎ去り
それぞれの秋
夢 散りじり夏はすぎ去り
それぞれの秋

Trivia about the song それぞれの秋 by 谷村新司

When was the song “それぞれの秋” released by 谷村新司?
The song それぞれの秋 was released in 1997, on the album “21世紀 BEST of the RED 1972~'81”.
Who composed the song “それぞれの秋” by 谷村新司?
The song “それぞれの秋” by 谷村新司 was composed by tanimura shinji.

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