ゆみはりづき
熊木杏里
弓張り月のように 今 ここに
あるものと 過ぎ去った日を
胸に浮かべている ただひとり
嫌われたこと 愛されたこと
長い夜も必要だった あなたに出会えたんだから
もう ずっと もう ずっと このまま
夢に見た 私には ほんの少し
近づけたと思う
これからは あなたとの季節を生きる
最後で最初の道
心 隠しているようだった あの人は
本当は きっと
私の胸で泣けなかっただけ
ごめんねも 言えなかったね
なくしたものは見えないだけ
あなたがここにいるんだから
影は光 光は影 それぞれ
卒業は いつだって ほんの少し
淋しくて 怖いけど
前で呼ぶ あなたから未来を生きる
覚悟が生まれるの
月は欠けてゆき やがてまた満ちてゆく
夢に見た 私には ほんの少し
近づけたと思う
この先は あなたとの季節を渡る
最後で最初の道