二人
雅美 奥井
はしゃいだ あの夏の日
まるで昨日のようで
最後の海 ながめに来た
いつもの二人の場所に
どこへも行かないでと
ずっと僕の側から
離れるのを嫌がってた
少女の面影 消せないまま
君の心のすべてを
わかってるつもりでいたのは
僕のわがまま
だったのかもしれないね
「失くしたものを 私
見つけるために行くのよ
あなたも幸せにね」
君はそう言って 微笑った
あぁ いつのまに
一人で大人になっていたのだろう
今ならやり直す事
できるのかもしれない
心の隅 一瞬だけ浮かんで
波に消された
無口な君もどこか
そう望んでるようで
淋しそうにうつむいて
「サヨナラ」とだけつぶやいた
二人過ごした月日が
今 あざやかによみがえるよ
続きのないドラマ演じていたい
一人きりでも
お互いの夢 きっと
同じと思い込んでた
言葉が少なくても
通じ合える二人だと
ねぇ ひとつだけ聴かせて欲しい
君は幸せだったの?
君を乗せた最終
涙でにじんで見えない
次の未来に 走り出した
片道切符で
きっと幸せになる
最後の約束だから
僕の心の中で
君が小さくなるまで
あぁ この海に二人の思い出
置き忘れて帰ろう