夏のまぼろし

祥子 鈴木

土曜の午後には
いつもピアノを弾いてた
夢はまだ あの雲より
ずっと遠くにみえてた
おしろい花の咲く空地に
夕陽が落ちてゆくのを
いつまでもぼんやり ながめていた
なつかしいあの場所で
わらって手をふるのは
半分も生きないで
夏といっしょに逝ったひと
全てを燃やしつくすほど
今は生きていたいと思う
もしもたったひとつでも
できることがあるなら

だからここに座って
うたっていよう
ちょうど小さな手のひらに
包めるくらいのうたを
わたしに明日が来るように
光の中 眠れるように
見知らぬ誰かのこころに届くように
土曜の午後には
いつもピアノを弾いてた
夢はまだ あの雲より
ずっと遠くにみえてた

Trivia about the song 夏のまぼろし by 矢野顕子

When was the song “夏のまぼろし” released by 矢野顕子?
The song 夏のまぼろし was released in 1995, on the album “Piano Nightly”.
Who composed the song “夏のまぼろし” by 矢野顕子?
The song “夏のまぼろし” by 矢野顕子 was composed by 祥子 鈴木.

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