葵橋
Sayuri
新宿駅の西陽差すホーム
ひとり白線の内側 立っていた
足元のスニーカー 白に重ねた汚れと
視界の脇でふわり揺れた 耳飾り
一瞬なにか思い出したような気がしたが
通過列車が遮った
君を待っていた バイト終わり
言えなかった話しがある
そして繰り返した 同じ挨拶を
僕らは季節を耕し続ける
赤 青 どれほど綺麗だったのでしょう?
僕らは季節を耕し続ける
この旅の果てに何を見るのでしょう?
フィルムのカメラがいいな
ブレもぼやけも後でわかればいい
名前の知らない植物を
それでも見つめてたように そっと撫でたように
写真を撮った
ありふれた街角にフォーカスを当てた
過ぎていく人の波に 同じ平穏を
君を待っていた バイト終わり
目を合わせたこの瞬間の
意味や行方は僕には 分からないけれど
僕らは言葉を耕し続ける
また会える時をただ祈りながら
僕らの季節を耕し続ける
ここに居たことをただ残すように
それはまるで
宝石みたいな 宝石みたいな 宝石みたいな花
透明になった 透明になった 透明になった花