ぽんこつ白書
言葉にしたいけど 上手く言えないだろう
仄暗い路のようだった 裸足のままで立っていた
虚しいんじゃないけど 荷物が重いんだろう
それだけの声を塞ぎ込んだ 仕方がないよな
天使はいない 迎えは来ない
天国もない 望んじゃいない
まるで終わりかけた地球に
ただ取り残された用済みのロボットみたい
嘘を知らない 嘘を知らない あの頃の群像劇は
不燃を歌い 憂いた次第 今やその形相さえ無い
何も知らない 何も知らない あの頃の少年たちに
僕は言えない とても言えない 打ち切りのような終幕を
棺ばかり募った 猫も杓子もまとめて押し込め
未練は無いさ おやすみ
言葉にしたいけど どうしようもないだろう
折れかけたこんなイーゼルじゃ 絵空事も描けないよ
朝を待つのが怖くて 夜に溶けたら今日になっていた
どこで気付きゃよかった 滴る指先に感触はもうしない
今は飛べない 今は飛べない あの頃の群像劇は
間違いじゃない 手遅れじゃない 自らを洗脳している
何も知らない 何も知らない あの頃の少年たちに
僕は言えない 一人といない 客席へカーテンコールなんて
墓場巡りの行乞 情け程度の土産は無常感
未練は無いさ おやすみ
ほら 夢の中で 頬を辿り 涙 沈む
溺れた波の狭間 僕は どれだけの後悔を喰らったんだろう
傷は癒えない 傷は癒えない それでも伝えようとして
迷いの時代 答えは出ない 張り裂ける心臓さえも
今は知らない 今は知らない これまでの原風景を
言葉にしたい 言葉にしなくちゃ 僕たちが
嘘を知らない 嘘を知らない あの頃の群像劇は
不燃を歌い 憂いた次第 今やその形相さえ無い
されど言いたい 何も知らない あの頃の少年たちに
僕は添いたい 言葉にしたい これからの一世一代を
冷えた手々を拭って 筆をその身に託して走らす
今はただ任せて さあ おやすみ