飛行船
Naoymt
開く扉 放たれた光
程なく 吸い込まれる人たち
生まれてきた理由が その先にあると信じて
列は続いている
いまだに消えない疑問点が
裾つかむ これは必要なことなのか
次々と飛び立つ飛行船が
巻き上げた塵の先 高く広い空
印などいらない 保証などいらない
ただ自分でいたいだけ
湧き上がる熱が 枷を溶かして
今 走り出す
並ぶボタン でも押すのはひとつ
いつしか磨耗して 劣る機能
そんな日々で隙間をどう塞ぐ
いつでも足らなくて
求めてはみ出して
いつだってそうして気取っていた
たった数色を重ねて絵を描いていた
人々を連れ去る飛行船が
向かう本当の行き先もまだ知らずに
印などいらない 保証などいらない
ただ自分でいたいだけ
湧き上がる熱が 枷を溶かして
今 走り出す
手を丸め覗いた世界
どこか寓話めいていた
どんな結末ならば正解
走査線 歪む仮面