春はゆく
Yuki Kajiura
それでも手を取って
となりに佇んで
初めて抱きしめた かたち
欲張ってかなしみを
抱えすぎていたから
幸せは何処にも
もう持ちきれなくて
花びらを散らした風が
扉を開いて 変わる季節
しんしんと降り積もる時の中
よろこびもくるしみもひとしく
二人の手のひらで溶けて行く
微笑みも贖いも あなたの側で
消え去って行くことも
ひとりではできなくて
弱虫で身勝手な わたし
償えない影を背負って
約束の場所は 花の盛り
罪も愛も顧みず 春は逝く
輝きはただ空に眩しく
私を許さないでいてくれる
壊れたい 生まれたい
あなたの側で 笑うよ
せめて側にいる 大事な人たちに
いつもわたしは 幸せでいると
優しい夢を届けて
あなたの側にいる
あなたを愛してる
あなたとここにいる
あなたの側に
その日々は 夢のように