幾星霜
安田貴広
つまらないんだ イマイチ
それはそうだ 第一未だ少しも理解してはいないのだ
弛み切った心に明らさまな嘲笑
「君の大きく稚拙な夢など叶わないだろう」
狭くはないこの部屋
ここまで転ばないで来れたのがむしろもう奇跡だ
くだらないと言われて穴の空いてしまった心を
隠しひたすら守ってるんだが
振り返ると不安だろう
進めそうな道は
ただ一つ ただ一つ
そんな妄想に囚われて 呑まれて
研ぎ澄まされるほど
折れそうになるくらいなら
もういいよ このままで
歳をとっていくにつれ
奪われる選択肢
そして後は焦り ただ焦るだけ
術も無く祈った報われぬ幾星霜
いつか幸せになれますように
行き交う人 不安だろう
潰れていく意石(いし)が
また一つ また一つ
そんな焦燥に囚われて 呑まれて
研ぎ澄まされるほど
折れてしまうのももう間近
そこに居たのは優しい声です
失くすモノは何もないと気づく
そしてそこに立って見据える遥へ
届かないけど 届きそうだろう?
どうしても不安だろう
進めそうな道は
ただ一つ ただ一つ
そんな妄想に囚われて 呑まれて
研ぎ澄まされるほど折れそうにもなって
苦しいだろう 辛いだろう
呼吸すら痛いだろう
逃げそうになるくらいなら
もういいよ このままで
そこに居たのは優しい声です
失くすモノは何もないと気づく
そしてそこに立って見据える遥へ
届かないけど 届きそうだと
思い込め