黙
安田貴広
ここに着いたのは間違いだったのか
いつも不安で悩んで塞いで
そんな君を見て傍に居たいと
思うことで卑小な自分を救って
失うくらいなら逃げ出したいんだが
気付けば浮いて沈んで戻って
再開を待つのなら もうそれしかないのなら
見届けるだけ 諦めるまで
何度も落としながらこれまで集めてきた
そのどれもが君に響くことのない言葉です
だからせめて今は君のために嘘つきになる
何でも 何度でも 君がそれで笑うなら
抱えこんでいる赤い希望・夢 そんな類を
無価値にしてしまうような黙(しじま)に埋もれ
重ねた日々は透ける様に傲慢に爛れて
降り積もる幻想
息を止めて
すぐ消えるだろう
何度も落としながらこれまで集めてきた
そのどれもが君に響くことのない言葉です
だからせめて今は君のために嘘つきになる
何でも 何度でも 君がそれで笑うなら