桜
麗
時はただ 流れ
うつろう街の眺め
いつの間に 君は
大人になったね
一つだけ 君に 教えておきたいんだ
誰にでも 来ると 別れの季節は
こごえそうな冬も
うだるような夏も
花を咲かせようと
精一杯 やって来たよ だから
両手 一杯に 咲きほこる 桜を
見てて欲しいんだ この指先まで
夢を追い 疲れ
あきらめたくなるけど
一人づつ みんな
時期が違うだけ
一つだけ君に 教えておきたいんだ
誰にでも来ると 輝く未来は
ずぶぬれの雨も
ここち良い晴れも
今日のためだけに
遠まわりなんかないよ だから
風に 舞いおどれ 落ちてゆく花びら
僕を あでやかに
見せてくれるだろう?
次の季節まで
少し会えないね
抱えきれぬ程
花を君に見せに また来るよ
桜 散ってゆく 夜風受けひとひら
きっと 残るだろう
水面にまぶたに
きっと 残るだろう
水面にまぶたに