俺へ

Gadoro, Piano Flava

拝啓 クソガキの俺調子どう?
無我夢中白球を追いかけるやんちゃ坊主
言いにくいけれどここでハッキリと言う
プロ野球選手にはなれないごめん
でもな野球ボールしか握れんお前が
もう一つ何かを握ることになる
授業中サボることに真面目なお前が
もう一つ真面目に向き合う
それは どん底に突き落とされ 転げまわりながらも
手探りで探し当てたマイクだ
コイツでお前が諦めたあの時の夢を
違った形で叶えてやりたいんだ
お前に戻りたくなる時だってあるが
お前が今の俺になりたいと思えるような
ヒーローになるから どうか見ていてくれ

あの日お前が夢を見た特大のホームランを
かっ飛ばす事は出来ない
芯からずれ内野と外野の間に落ちたような
そんな音楽しか歌えない
でも許してくれ これが俺の歌なんだ
信じていてくれ これが俺の正義なんだ
自分で蒔いた種だとしても
咲く可能性はあると俺は信じる

60の俺 生きてるか?
どうせ働きもせずにホームレスになってるんだろ
えっ? まだ音楽をやってるって?
マジ嘘だろ? 相変わらず狂ってるなお前
酔った勢いで過去の自分語りやって
「最近の若い奴は」とかほざいて
朝目が覚めて薄ら寒くなっちまうような
そんなおじさんにはなんなよ

言われんでん分かる? まぁそりゃそうか
あの日一生若手だって口にしたもんな
10歳だろうが70歳になろうが
挑戦を辞めた時が初めて老人だ
もしチャチなヴァースを蹴ったその時は
おじさんだろうがぶん殴るからな
俺以外でも吐ける言葉を吐くような
俺にはならないでいてくれ

物忘れが多くなってしまったのは
増えすぎた知識を捨ててるだけ
なんて 捻くれた発言をするんだろ
知ってるよ あんたのことは俺がよく分かってる
あんたもそこまで永くはないだろう
刻一刻と地獄へと近づいてる
何かの間違いで天国へ行けたなら
ばあちゃんによろしく伝えといてくれ

60の俺から現在の俺へ
面倒くさがらずに最後まで聞いてくれ
なんとなく社会に入り込んだお前は
現実の厳しさを知り挫折を繰り返す
だがあの日お前をクビにした上司は
俺が言うのもなんだが見る目あったよな
おかげでブレブレの社会不適合者でも
人の心臓を震わせるものを見つけた
頑張ってないと否定されたみたいで
頑張れって言われるのが嫌いなお前
分かる奴にだけ分かれば良いだなんて
自分の愚かさから逃げてるお前
躓くたび自分探しの旅って?
紛れもなく自分はそこにいるだろ
虹を見たけりゃ少しの雨くらい我慢だ
傷跡は隠すなそれがお前なんだ

前にコケてしまいそうなほどに
強い力で背中を押してやるからな
花まだ咲かなくて良かったな
咲いた後ってのは枯れるだけだから
努力は裏切らねえって言葉に裏切られた
あの頃のお前を裏切ってやったぞ
過去のお前が俺を見たように
未来の俺がお前を見てる

Trivia about the song 俺へ by GADORO

Who composed the song “俺へ” by GADORO?
The song “俺へ” by GADORO was composed by Gadoro, Piano Flava.

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