カフカの城

貴男 田島

信号をいくつ曲がっても
ハンドルを何度きっても
行きつかないどこへも
とどまれないどこにも
来たことのないどこかの半島
海のにおいする街に独り
なにもすることがない
きみがぼくを忘れたいま
吹けば飛びそうに軽くなってゆく
気持ちをどこかに置き忘れた
からっぽになった中身のない箱
しまう場所がない 片付けられない
ぼくはカフカの城にいた

蜃気楼の街を歩き
帰る道も消してしまった
きみに開けられた穴が
ふさがらない胸おさえて
吹けば飛びそうに軽くなってゆく
いのちは零れて乾いてしまった
からっぽになった真空の肺
冬の低気圧にへこまされた

生きている軽さに挑み
背筋伸ばして歩き出そうと

きみがぼくを忘れたいま

Trivia about the song カフカの城 by ORIGINAL LOVE

When was the song “カフカの城” released by ORIGINAL LOVE?
The song カフカの城 was released in 2006, on the album “東京 飛行”.
Who composed the song “カフカの城” by ORIGINAL LOVE?
The song “カフカの城” by ORIGINAL LOVE was composed by 貴男 田島.

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