愛あるところへ
和正 小田
耳をふさいで眼を閉じてたら
そこから逃げられない
君はまだあの夏のなか
出ておいでその部屋から
青い空が眼にしみる
秋から冬へ
季節は動いている
かぞえきれない思い出も
君を抱きとめないさ
やがてひとりでに心は
愛にさそわれて 闇に飛びたつ
もうそれ以上喋らないで
あの頃のことなんて
また明日が遠ざかる
冬には冬のぬくもり
夏には夏のかなしさ
ことばをこえて
ふたりで感じるもの
涙で終わるあの日々を
くり返しくり返し
それでもまた心は
愛あるところへ 辿りつくまで
見知らぬ愛を信じるままに
愛あるところへ 辿りつくまで
愛あるところへ 飛んでゆきたい