思い出を盗んで
oda kazumasa
誰にでもやさしくするから
それだけ私は離れている
止めどなく押しよせてくる
不安な気持ちはあなたのせい
あなたの代わりに誰かを愛せない
行かないで
喋りすぎた冬の日の午後は
こぼれ落ちた愛の始まり
まるであなたは
見知らぬひとのように
かけがえのない思い出を盗んで
眼の前で背を向けた
呼びとめても
すべて生命あるもののように
流れるままに身を任せれば
すべて生命あるもののように
やがて訪れる永遠の眠り
すべて生命あるもののように