Grey
Yumi Matsutoya
グレイ
黄昏が夜に名残を惜しむ グレイ
まだしばらくは明り灯さず 窓にもたれて
会えなくなったひとの気配 抱きしめてみる
霧雨が街の影をうるます グレイ
忘れていった傘をひらけば
なぜかそこだけ 雨も時の流れも止まる静かな通り
私の心はアッシュトレイ
灰を落とす彼のくせと
指先なつかしむ 小さな大理石
グレイ
世界中の恋がくゆらす煙 グレイ
ゆっくり空に昇っていって
燃え尽きた日々 思い起こすように漂う美しい色
私の心はアッシュトレイ
灰を落とす彼のくせと
指先なつかしむ 小さな大理石