私なしでも
Yumi Matsutoya
胸の上で 手をくんではだめよ
きっと悪い夢に うなされるから
窓を開けて 寒くしてはだめよ
毛布のような私 もういないから
やがてあなたが寝息をたてるころ
朝陽に縁どられ 始発にのる
二度と来ない町が流れてゆく
枕木ひとつづつ自由になるわ
自分でなく この私のために
近道を選んでしまったと言う
いつかあなたの 気弱な言い訳が
その胸に私を帰れなくした
やがてあなたが寝息をたてるころ
朝陽に縁どられ 始発にのる
二度と来ない町が流れてゆく
枕木ひとつづつ自由になるわ