三味線旅がらす
Yurio Matsui, Hideo Mizumori
流れ長脇差
撥に替え
三味線を抱き寝の 渡り鳥
風の吹きよで 掌返す
そんな浮世を 斜にみて
エー チントンシャン
エー チントンシャン
気まま向くまま 唄まくら
惚れたはれたの 身の錆は
落とし切れずに 頬かぶり
柳 新芽も あれから二年
縁でこそあれ 末かけて
エー チントンシャン
エー チントンシャン
月にほろりと 泣かせ節
見栄は捨てても 意地だけは
抱いて二の絃 三の絃
粋がいのちの やまがた折りも
くずしゃ乱れる 侠髷
エー チントンシャン
エー チントンシャン
せめて濡らすな 花しぐれ