東京霧笛
小野塚清一
恋に破れた 男の肩に
月が隠れて 雨が降る
夜の波間の きらめきが
辛い心を 辛い心を
浮かべて揺れる
「優しいひとだったよなぁ」
想い出させる あぁ 東京 霧笛
花は咲いても 何時かは散ると
季節変われば 知らされる
僕が支えて やるんだと
懲りているのに 懲りているのに
ついまた惚れた
「今頃どうしているのかなぁ」
消えぬ面影 あぁ 東京 霧笛
雨に霞んだ お台場あたり
海に捨てたい 寂しさを
愛の終わりを 告げるよに
船が港を 船が港を 離れて消える
「もう一度逢いたいなぁ」
未練断ち切る あぁ 東京 霧笛